フロアタイル (ビニル床タイル)施工方法

フロアタイルは、まるで本物の石や木のようなリアルな質感を再現できるのが魅力です。 凹凸や木目の繊細な表現まで、まるで本物の素材を使っているかのような仕上がりになります。
デザイン性、耐久性、メンテナンス性など、多くのメリットも兼ね備えた床材です。またDIYで簡単にリフォームできる点も魅力の一つです。
タイルカーペットの施工方法をまとめましたので、是非ご覧ください。

施工上の特性
  • ・ビニル床タイルは急激な温度変化は寸法変化の要因となりますので、施工時の環境は10度以上に保つことが望ましいとされています。(施工時間含め前後12時間程度)
  • ・また、高温に弱いので高温環境での使用や、熱源に近づけることは避けてください。

《夏季施工時》

  • ・気温が高いと接着剤の進みが速い為、1回の塗布面積に留意して下さい。

《冬期施工時》

  • ・下地の乾燥が遅くなる為十分な乾燥時間が必要となります。また、下地に強度があることも確認して下さい。
  • ・床材自体が硬くなり、下地になじみにくいので施工前から室温を10度以上に温めておくことを推奨します。
  • ・接着剤はウレタン樹脂系溶剤形の使用が望ましいとされています。
  • ・タイルは1枚の面積が小さく目地が多い為、接着不良による剥がれ・突上げ等、施工後形状変化が発生しやすくなっています。又、接着剤が目地から染みやすくなっています。
運搬・保管時の留意点
  • ・保管は平坦な場所にし、積載限度は70cmとして下さい。
  • ・また、変形・変質の要因となりますので、長時間にわたる直射日光や高温状態での保管、雨水等の水濡れは避けて下さい。(変形・変退色・変質の原因となります)
  • 積載例
    フロアタイル積載例
施工手順
STEP

下地の点検

下地の善し悪しによって仕上がり状態が左右されます。下地の点検を行い、不備のないようにして下さい。

点検項目 チェックポイント 起き得る問題
①平滑さ
下地の点検
下地に不陸や目違い、段差等がないか指矩などで調べる。 接着剤が均一に塗布されず、接着不良、膨れなどが発生。
②乾燥
下地の点検
下地の含水率が水分計で測定して、8%以下であるか。 木質下地の場合、合板は1類以上の耐水性のあるものを使用してください。 下地が十分乾燥していないと、どのような接着剤でも接着不良を起こす。
③強度
下地の点検
モルタル下地で表面の粉ふきや浮きがないか。木質下地できしみやたわみがないか。 施工後、床材の剥離や浮きなどが発生。
④汚れ
下地の点検
ホコリ、油、ペンキなどの下地の汚れが完全に取り除かれているか。 施工後、床材の剥離や浮き、変色などが発生。

※床暖房下地への施工はお避け下さい。

STEP

割り付け・隅出し

割り付け・隅出し
施工現場を実測し、割り付け図をもとにして、割り付け、隅出しをします。
STEP

材料保管

材料保管
材料保管の善し悪しによって仕上がり状態が左右されます。
ビニル系床材は温度による影響を受けやすいので、特に冬季の保管管理は重要です。
①乾燥した平坦な室内に保管し、直射日光は避けてください。
②室内温度10~25度、湿度75%以下での保管が最適です。
STEP

材料確認

材料確認
品番・ロット番号を確認し、同一場所に他のロットのものが混在しないようにして下さい。
STEP

養生

養生
10度以上に保たれた室内の平滑な場所でタイルを箱から取り出して、表面を上にして1~2日間程度積み重ね、クセを取り除いてください。 特に冬季はクセが取れにくいので、必ず箱から出してください。

注意:ビニル系床材は温度による影響を受けやすいので、特に冬季の養生管理は重要です。 養生を十分に行わずに施工しますと、施工後温度差による材料の伸びによって突き上げなどを起こします。

STEP

接着剤塗布

接着剤塗布
  • ・使用前に接着剤の容器に記載されている事項をご参照ください。
  • ・木下地など通気性の少ない下地は接着剤の溶剤が抜けにくいため、残留溶剤による塩ビタイルの伸びを引き起こし、施工後の突き上げを発生させることがあります。その場合は、接着剤の塗布量を標準より少なめにし、オープンタイムを長めにとってください。
  • ・クッションフロアーなどの既存床の上に重ねて施工しないでください。施工後、突き上げ、剥離などの問題が発生することがあります。
  • ・施工は専門業者にご依頼ください。
STEP

貼付け・圧着

貼付け・圧着
  • ・墨に沿って中心点から貼り、目違い、目地ずれのないように、ハンドローラー等で圧着しながら貼り付けます。
  • ・接着可能時間内に45kg以上のローラーなどでよく圧着します。
  • ・接着剤が硬化するまでは、冷暖房による急激な温度変化や直射日光は避けてください。

注意:ビニル床タイルは急激な温度変化によって伸び縮みする性質があります。 また、接着剤は低温ですと硬化が遅れ、温度が変化した時の材料の伸縮を抑えるだけの接着力が得られないため、突き上げなどの原因になります。
さらに、店舗などの窓の大きい場所付近に施工する場合の直射日光や冷暖房による急激な温度変化にも十分注意してください。特に冬季は寒さによりタイルが縮んでいます。施工後、室内との温度差によるタイルの伸びを予測し、貼付けは強く突きつけず、名刺1枚程度すかして軽く突きつけるように施工してください。
注意:壁際などの端部は、隙、浮きのないように納まりよくカットし、ハンドローラー等で入念に圧着してください。 圧着不足は接着不良につながり、後日突き上げ剥離などを引き起こす原因になります。

STEP

目違い修正

・接着可能時間内に目立つ目違いはハンドローラーで圧着、調整してください。接着剤が硬化してからでは修正できません。

注意:白をはじめ、比較的薄い色のタイルは、目地の隙間が名刺1枚分程度あっても目立ちます。 製造上の寸法誤差や下地不陸のために隙間が発生する場合があります。必ず目違い修正して、隙間がなるべく目立たないようにして下さい。

階段施工手順
STEP

蹴上げの割り付け・基準線を設定します

階段施工手順
  • ・直階段の場合、階段幅の左右対称に貼り付けます。左右それぞれの壁際の残り幅が床タイルの1/3以下の場合、どちらかに床タイルを半分ずらした位置を基準線とします。
  • ・踊り場のある階段は、踊り場を基本に割り付けます。
STEP

蹴上げの施工。基準線から順々に貼り広げていきます

階段施工手順
  • ・基準線にあわせて、踏面に沿うようにけがき、このタイルを基準に次の床タイルの下辺を合わせてけがきます。
  • ・接着剤は巾木糊を使用してください。
STEP

端物のタイルは、合わせ切りします

階段施工手順
注意:タイルは事前に貼り付ける順番通り重ねておきます。
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上端は、ノンスリップの金物に飲み込まれるように直定規で裁断します。裁断後、ハンドローラーで入念に圧着してください

階段施工手順階段施工手順
STEP

踏面にタイルを貼り付けます

階段施工手順
STEP

ノンスリップ金具を取り付けます

STEP

接着剤などによる汚れや不備な点がないかを確認します。必要に応じて養生してください

階段施工手順
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蹴上げ部のタイルが踏面となじまない場合は、踏面に沿うように下辺をけがいて施工します。小さな巾定規状のものを利用するとよいでしょう

二重床への施工手順
STEP

パネルの段差の影響を抑える為、パネル目地とタイル目地を半分程度ずらして割付けて下さい

正方形タイプ
プランクタイプ

プランクタイプ(形状が長方形のもの)は、左側のようにずらして貼るようにして下さい。端を揃えて貼ると目地が不揃いになりきれいに納まりません。

STEP

OAフロアはパネルの目地部分を避け(全面塗布しない)、スポンジローラーで接着剤を塗布して下さい。その際、パネル目地や、ボルトに接着剤が浸透しないようにして下さい

二重床への施工手順
※樹脂製のOAフロアはスチール製等のものに比べ接着力が劣ります。接着強度を出すため全面塗布して下さい。パネルの目地・支持脚の固定ネジなどへ接着剤が流れないよう注意します。
STEP

後日、突き上げが発生する可能性がありますので、タイル間に名刺1枚分の隙間をあけて詰め過ぎないように施工して下さい

STEP

接着剤や汚れ・不備等がないか確認し、必要に応じて養生シートで養生して下さい

フロアタイル メーカー


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